アスター(英語表記)China aster
Callistephus chinensis Nees

デジタル大辞泉 「アスター」の意味・読み・例文・類語

アスター(aster)

キク科シオン属またはエゾギク属の植物の総称。シオンミヤコワスレなどがあり、園芸では特に、エゾギクをさす。 夏》蝦夷菊えぞぎく

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精選版 日本国語大辞典 「アスター」の意味・読み・例文・類語

アスター

〘名〙 (aster) キク科アスター属のアズマギク、シオン、ミヤコワスレなどの総称。一般に、アスターと呼ばれているものはアスター属ではなく、園芸種として栽培されるエゾギクのこと。

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改訂新版 世界大百科事典 「アスター」の意味・わかりやすい解説

アスター
China aster
Callistephus chinensis Nees

一般に花屋などではアスターと呼ばれている秋まきまたは春まきのキク科の一年草。和名はエゾギク。アスターの名称はキク科のシオン属Asterによるが,本種はシオン属ではなく,エゾギク属Callistephusであり,英名のChina asterのChinaが略され,単にアスターと呼ばれるようになったのであろう。水揚げもよく花色も豊富なので,夏の切花として各地で栽培されている。原産地は中国,朝鮮の北部。18世紀はじめフランスの宣教師ダンカルビルR.P.d'Incarvilleによりヨーロッパにもたらされてから改良が進み,平弁や管弁の花弁がいろいろと変化し組み合わされたタイプのコメット咲き,ポンポン咲き,ダチョウ咲き,針管咲き,キク咲きなどの花型が生まれた。また草丈は矮性,高性の別があり,分枝の状態でほうき立ちや株立ち1本咲きなどがある。暖地では秋まき,それ以外の地域では春まきとして育てるが,移植を好まないので直まきして間引く方法がとられる。酸性土では生育が悪いので石灰を散布して中和をはかり,連作を避ける。開花には15℃以上,13時間以上の日長が必要なので,促成栽培には温室で電灯照明の方法がとられる。種子寿命は短いので,古い種子を用いてはならない。
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アスター
John Jacob Astor
生没年:1763-1848

アメリカの毛皮商人,富豪。ドイツに生まれ,イギリスでの短期の実務経験ののち1784年渡米。船中で知人より得た情報をもとに毛皮取引に進出した。1808年〈アメリカ毛皮会社〉を設立,五大湖から太平洋岸に至る広大な地域の毛皮取引とそれの中国,ヨーロッパへの輸出で産をなし,さらにニューヨーク市の不動産事業で巨富を築いた。遺産2000万ドルは当時としては破格のものといわれている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アスター」の意味・わかりやすい解説

アスター
Aster chinensis; aster

キク科の一年草。中国北東部の原産で,観賞用に花壇に植えたり,切り花にする。エゾギク (蝦夷菊) ,エドギク (江戸菊) ,チョウセンギク (朝鮮菊) など多くの呼び名がある。草丈 30~60cmになり,全体にまばらな粗毛がある。葉は卵形で,不規則な鋸歯がある。夏から秋にかけ,淡紅,紫,青紫,白色などの大型の頭花を開く。周辺には多数の舌状花が並び,中心には黄色の管状花がある。総包片は緑色多列で,多少葉状になって頭花を抱く。昔は仏花として多く使われたが,最近は高級切り花として愛好され,長野県が有名な産地である。アスター Asterはこの種を含めてノコンギク,ユウガギクなどノギクの類の属名であるが,園芸界では特にこの種だけをさしていうことが多い。

アスター
ASTER

フランス,イタリアが共同開発中の地対空ミサイル。 1990年代末完成を目指してフランスのアエロスパシアル社とトムソン CSF,イタリアのアレニア社が共同で設立したユーロサムが設計を担当。陸戦用と艦載用の両システムがあり,それぞれ低空用のアスター 15と中高度用のアスター 30を基本型とし,目的によりブースターを取替えて幅広い用途に適応できる。

アスター
Astor, John Jacob

[生]1763.7.17. バーデン
[没]1848.3.29. ニューヨーク
アメリカの毛皮業者。 1808年アメリカ毛皮会社を設立。 11年オレゴンのコロンビア河口にアストリアを建設。 1800~17年中国貿易に従事し,のちニューヨーク市で不動産業を営み巨利を博した。

アスター
Aster, Ernst von

[生]1880
[没]1948
ドイツの哲学者。 Th.リップス,論理実証主義の影響のもとに新しい唯名論を立てようとした。主著『哲学史』 Geschichte der Philosophie (1935) 。

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百科事典マイペディア 「アスター」の意味・わかりやすい解説

アスター

エゾギクとも。キク科の直立性の一〜二年草。エゾギク属に属するが,園芸界では旧属名のまま,アスターと呼ばれる。中国北部原産で,ヨーロッパで品種改良された。花色は豊富で矮(わい)性・中性・高性種があり,花壇・鉢物・切花用として栽培される。小〜大輪の花型には平弁,管弁,丁字(ちょうじ)咲,菊咲などがある。花期は秋まきでは6〜8月,春まきでは8〜9月。

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