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アタルバ・ベーダ Atharvaveda

世界大百科事典 第2版の解説

アタルバ・ベーダ【Atharvaveda】

古代インドのバラモン教聖典《ベーダ》の一つで,《リグ・ベーダ》《サーマ・ベーダ》《ヤジュル・ベーダ》の3ベーダに次ぐ第4の地位を占める。他の3ベーダが正統バラモン教の祭式と結びついて成立したのに対し,このベーダは呪術を本質とし,民間の信仰に起源を発している。災いを払い,幸運を呼ぶ呪詞を収録したこのベーダは,古くは《アタルバ・アンギラス》と呼ばれ,招福をつかさどるアタルバンAtharvan族の呪術と,呪詛をつかさどるアンギラスAṅgiras族の呪術とをもとに成立したことを示している。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のアタルバ・ベーダの言及

【インド文学】より

ベーダとは元来〈知識〉を意味するが,特に宗教的知識の意味に用いられ,さらに転じてバラモン教の聖典を意味するようになった。ベーダ文学の中核をなしているのは4種のサンヒター(本集)で,このうち諸神を祭壇に勧請してその威徳を賛称するための自然神賛歌など1000余種を集めた《リグ・ベーダ》本集を中心とし,これに歌詠のための《サーマ・ベーダ》,祭式供犠のための《ヤジュル・ベーダ》,攘災招福のための呪詞を集めた《アタルバ・ベーダ》を合わせて4ベーダという。この4ベーダ本集にはおのおのこれに含まれる賛歌祭詞の適用法とその起源,目的,語義などを説明した散文の神学的文献ブラーフマナが付随し,さらにこれを補足して祭式の神秘的意義を説き,特に森林において伝授される秘法を集めたアーラニヤカ(森林書),梵我一如の要諦を説く哲学的文献ウパニシャッド(奥義書)が付随している。…

【バラモン教】より

…つまり,バラモン教とはベーダの宗教であるといってさしつかえない。 バラモン教は,《リグ・ベーダ》《サーマ・ベーダ》《ヤジュル・ベーダ》《アタルバ・ベーダ》の4ベーダ,およびそれに付随するブラーフマナ,アーラニヤカ,ウパニシャッドを天啓聖典(シュルティ)とみなし,それを絶対の権威として仰ぐ。そして,主として,そこに規定されている祭式を忠実に実行し,現世でのさまざまな願望,また究極的には死してのちの生天を実現しようとする。…

【ベーダ】より

…バラモン教は,前1500年前後にインド亜大陸に侵入したインド・アーリヤ民族の民族宗教であるが,祭式を行って神々に供物をささげ,それによって神の恩恵を期待するという祭式主義をその根幹としている。ベーダはこの祭式の実用のために成立し,つねに祭式との密接な関連のもとに発達した文献群で,祭式を実行する祭官の役割分担に応じて,(1)《リグ・ベーダ》,(2)《サーマ・ベーダ》,(3)《ヤジュル・ベーダ》,(4)《アタルバ・ベーダ》の4種に分けられる。当初は前3者のみが正統の聖典として〈3ベーダ〉と呼ばれたが,後世になって,通俗信仰と関連しつつ成立したアタルバ・ベーダも第4のベーダとして聖典の列に加えられた。…

※「アタルバ・ベーダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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