アダムズピーク山(読み)アダムズピークサン

デジタル大辞泉 「アダムズピーク山」の意味・読み・例文・類語

アダムズピーク‐さん【アダムズピーク山】

Adam's Peakスリランカ中部にある山。中央山岳地帯の南西部に位置し、サバラガムワ州に属す。標高2243メートル。頂上足跡に似た巨石があり、仏教徒ブッダの足跡、ヒンズー教徒はシバ神の足跡、キリスト教徒イスラム教徒アダム地上に降りたときの跡と考え、宗派を超えた信仰対象の聖山として知られる。また、2010年に周辺の国立公園や自然保護区とともに、「スリランカの中央高地」の名称で世界遺産(自然遺産)に登録された。スリーパーダサマナラカンダ

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改訂新版 世界大百科事典 「アダムズピーク山」の意味・わかりやすい解説

アダムズ・ピーク[山]
Adam's Peak

スリランカ南西部にある山。標高2231m。シンハラ語ではサマナラSamanala山と呼ばれ,島の守り神の一人であるサマンSaman神の宿る山として,古くから信仰登山の対象であった。山頂には大きな足跡の刻まれた岩があり,仏教徒にはゴータマ・ブッダ仏足石(仏足跡,スリ・パーダ)として,ヒンドゥー教徒には踊るシバ神の足跡として,イスラム教徒には片足で立つアダムの足跡として,それぞれの宗教の聖地となっている。1978年に日本山妙法寺の仏塔山腹に建立された。巡礼の季節は,雨の少ない1月から4月で,登山道は照明灯がつけられ,人々は山麓渓流で身をきよめ夜に山登りをはじめ,日の出を山頂で待つ。東風が強いので,霧がスクリーンのようになって,日の出とともに三角形の山容を写す。時には〈ブロッケンの妖怪〉もみられる。マハベリMahaveli川をはじめ,大きな四つの川がこの山に源流をもっている。
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