アッベ(Cleveland Abbe)(読み)あっべ(英語表記)Cleveland Abbe

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アッベ(Cleveland Abbe)
あっべ
Cleveland Abbe
(1838―1916)

アメリカの天文学者、のち気象学者。ニューヨークに生まれる。同市の大学を卒業後、1860年マサチューセッツ州ケンブリッジで天文学者グールドBenjamin Apthorp Gould(1824―1896)の下で仕事をした。さらに1865年にはロシアプルコボ天文台留学シュトルーベの下で天文学を研究した。1867年シンシナティ天文台の台長となり、1868年から同台で天気予報を出すことを創始した。その後ワシントンの陸軍省信号局に勤務し、信号局の気象事務が農務省下の天気局に移されてからは、天気局の技師として没年まで勤めた。アメリカにおける天気予報の創業に尽力したばかりでなく、ヨーロッパ論文を英語訳して編集した気象学論文集は広く後進に読まれ、気象学の専門教育に貢献した。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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