アララギ(イチイ)(読み)あららぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アララギ(イチイ)」の意味・わかりやすい解説

アララギ(イチイ)
あららぎ

現在ではイチイ科イチイ異称とされるが、古代から江戸時代にはフジバカマノビルギョウジャニンニクなどのことをさした。『日本書紀』巻13允恭紀(いんぎょうき)のなかに出てくるアララキ(蘭)は、文脈からフジバカマと推定される。また平安時代の『本草和名(ほんぞうわみょう)』は菜の項の蘭草の和名に阿良々岐を、『和名抄(わみょうしょう)』は薑蒜(きょうさん)類の蘭の和名に阿良々木を、『新撰字鏡(しんせんじきょう)』は草の項の和名に安良々支をそれぞれあげているが、これらはノビルと思われる。

[湯浅浩史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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