日本大百科全書(ニッポニカ) 「アラリック(2世)」の意味・わかりやすい解説
アラリック(2世)
あらりっく
Alaric Ⅱ
(?―507)
西ゴート王(在位484~507)。有能な父王エウリコのローマ化路線を継いで多数派のローマ系住民の支持を得ようとしたが、施策に矛盾があって十分な成果を得られなかった。一方、当時西ゴート王国はロアール川以南とローヌ川以西のガリアも領有していたところから、ガリア再統一をねらうフランク王クロービスとの対立がしだいに表面化していった。507年ポアチエ近くのブイエーの一戦で西ゴート軍はブルグンド王と結んだクロービスによって敗れ、アラリックは戦死。以後、西ゴートの支配は地中海沿岸のセプティマニアを除いてガリアからイベリア半島に移り、6世紀中葉にはトレドを首都とした新国家を形成した。
[小林一宏]
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