フランスの小説家。本名はHenri Alban Fournier。1913年《NRF(エヌエルエフ)》誌に連載されたのち直ちに刊行された《モーヌの大将LeGrand Meaulnes》の作者。この小説は夢と現実の混淆した幻想的世界における青春の内的冒険を描きだし,これまでの写実的な小説と対立するまったく新しい小説として迎えられ,以後若い世代の作家たちに大きな影響をあたえた。しかし第2作を完成する間もなく,第1次世界大戦に出征して,14年9月戦死した。彼が親友ジャック・リビエールとかわした1905年から14年までの《往復書簡》は,26年から28年にかけて出版され,1900年代の青春の精神の軌跡を示すものとして,ひろく読まれている。
執筆者:渡辺 一民
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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