アルト(音楽用語)(読み)あると(英語表記)alto イタリア語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルト(音楽用語)」の意味・わかりやすい解説

アルト(音楽用語)
あると
alto イタリア語
alto フランス語
alt 英語
alto 英語
Alt ドイツ語

音楽用語。混声四部合唱における上から2番目の声部、女声合唱の場合には、もっとも低い声部のことをいう。また今日では、そういった声部に相応した音域を歌う女性のもっとも低い声種をもさす。語源ラテン語のaltus(高い)に由来するが、これは、中世の多声楽曲において、その基本となる声部(テノール)より高い声部をよぶのに用いられたためである。転じて、大小のある同族楽器のなかで、ソプラノとテノールの間にあるものをアルト(たとえばアルト・リコーダー)などとよぶ。さらに、五線譜表の第3線上にハ音記号を置いた音部記号をアルト記号という。第3線が1点ハ音となり、元来は合唱のアルト声部用であったが、今日ではビオラやアルト・トロンボーンなどの楽器のための楽譜にも用いられている。

[黒坂俊昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android