アルバレズ(Alfred Alvarez)(読み)あるばれず(英語表記)Alfred Alvarez

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アルバレズ(Alfred Alvarez)
あるばれず
Alfred Alvarez
(1929―2019)

イギリスの批評家、詩人、小説家。オックスフォード大学卒業後文筆生活に入り、現代英米詩人論『形成する精神』(1958)や『ダン流派』(1961)で一躍知られた。D・H・ローレンスの妻だったフリーダ・ローレンスの孫娘と1956年に結婚するが、結婚生活は1961年に破綻(はたん)、それが原因で同年自殺を試みる。その後立ち直り、1960年代を代表する、とくに現代英米詩の批評家として活躍した。美的関心と倫理的関心の調和を目ざすところに特色があり、自殺研究『野蛮な神』(1971)は自らの体験を赤裸々に語るとともに、現代アメリカの告白詩人ロバート・ローウェル、ジョン・ベリマンシルビアプラスを高く評価(ベリマンとプラスは自殺)して話題をよんだ。ほかに『サミュエル・ベケット』(1973)、詩集や、小説『彼女のもの』(1974)などもある。

富士川義之

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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