知恵蔵 の解説
アルベルト・ザッケローニ
戦い方としては、イタリア伝統のカテナチオ(かんぬき)という守備の堅い戦術をとらずに、攻撃を重視した3-4-3フォーメーションを好むが、これに固執することもなく、戦況に応じた柔軟性も併せ持つ。選手との対話を重視してチームを率いる人だともされる。控えめで誠実な人柄が、接した人々から好感を持たれるが、職人肌気質の頑固なところもあるとされ、ACミランオーナーのベルルスコーニ・イタリア首相とのあつれきは有名。
日本代表監督就任にあたり、チームはもちろん、日本を理解しようとする姿勢は真摯(しんし)。14年W杯で日本チームがもう1ランク上に進むため、これまでのように日本国内での指導実績や関係者の紹介から選ぶのではなく、「世界市場」に打って出て獲得した人材。W杯招致を目指す日本の顔としての活躍も期待される。愛称は「ザック」。
(菘(すずな)あつこ フリーランス・ライター / 2010年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報