アルマン

百科事典マイペディア 「アルマン」の意味・わかりやすい解説

アルマン

フランス出身,米国の画家・彫刻家。ニース生れ。本名アルマン・フェルナンデスArmand Fernandez。イブクラインの友人であり,ヌーボー・レアリスムに参加した。1955年頃からゴム・スタンプ印の反復による作品を制作し始める。このスタンプを箱に詰めた作品から《集積》シリーズが始まった。さまざまな廃品を寄せ集めて構成するアッサンブラージュと呼ばれる手法であるが,彼の場合には眼鏡バイオリン銃弾などを作品毎に集積し,常にひとつの作品を同一物で構成している点に特徴がある。溶接され,ポリエステルコンクリートに埋め込まれた廃棄物や廃品は,消費社会に対する批判であると同時に,構成の巧みさによって古典的とも言える均衡の美を生み出している。約60台の廃車をコンクリートで固めた高さ約18mの《長時間の駐車》(1982年)は,現代消費社会を体現する巨大なモニュメントである。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルマン」の意味・わかりやすい解説

アルマン
Arman

[生]1928.11.17. フランス,ニース
[没]2005.10.22. ニューヨーク
フランス生まれのアメリカの美術家。本名 Armand P. Fernandez。パリのエコール・デュ・ルーブル,エコール・ナショナル・デ・ザール・デコラティフで学ぶ。 1957年頃から紙面刻印で埋める「刻印」のシリーズを始めたが,1959年既製品と廃品を素材として直接用いることに目ざめ,以来,同形,同種物体アクリルの箱いっぱいに詰めた『集積』の連作を続ける (→アッサンブラージュ ) 。友人 Y.クラインなどとともに,フランスのヌーボー・レアリスムの美術家の一人とされる。 1972年アメリカ国籍を取得,パリとニューヨークに住む。

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