旺文社世界史事典 三訂版 「アンコール−ワット」の解説
アンコール−ワット
Angkor Vat
「寺のある街」の意。アンコール−トムの南方1500mにある。クメール王スールヤヴァルマン2世(在位1113〜52 (ごろ) )が建立。東西1500m,南北1300mで,幅150mの堀に囲まれ,中央の60mの主塔を中心に5塔3層の石造建築が各層回廊に全長600mにわたる。『マハーヴァーラタ』と『ラーマーヤナ』を主題とした浮き彫りは,クメール芸術の傑作である。ヴィシュヌ神に神格化された王スールヤヴァルマン2世を祭り,王の死後はその墓所としてヒンドゥー寺院となった。14世紀ころからシャム(タイ)人が侵入し,仏教寺院として使用された。20世紀後半からのカンボジア内戦などでも放置され,現在,世界文化遺産としてその保存・修復が急務となっている。
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