アントロール

化学辞典 第2版 「アントロール」の解説

アントロール
アントロール
anthrol

anthracenol.C14H10O(194.23).アントラセンのヒドロキシ置換体で,1-,2-,および9-アントロールの三つの異性体がある.1-および2-アントロールは,それぞれアントラセン-1-または-2-スルホン酸をアルカリ融解して得られ,1-アントロールは淡黄色.融点153 ℃.2-アントロールは白色結晶.融点200 ℃(分解).両者のアルカリ水溶液は,緑色蛍光を発する.普通の有機溶媒には1-アントロールのほうがよく溶ける.9-アントロールはアントラノールともいい,アントロンエノール形である.アントロンをアルカリに溶かし,これに酸を加えるとアントラノールが分離する.淡黄色の結晶で,融点120 ℃.徐々に加熱するとアントロンに変化する.[CAS 610-50-4:1-アントロール][CAS 613-14-9:2-アントロール][CAS 529-86-2:9-アントロール]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android