日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
アーチャー(Frederick Scott Archer)
あーちゃー
Frederick Scott Archer
(1813―1857)
湿式コロジオン法を考案したイギリスの肖像彫刻家、写真家。初めロンドンで銀細工師となり、のちに肖像彫刻に転じ、制作のかたわらいろいろな研究に手を染めた。湿式コロジオン法とは、写真乾板が実用化されるまで用いられた方法で、光化学反応の迅速化を図るため、薬品類を硝化綿からなるコロジオンを基剤としてガラス板に塗付し、感光板として用いた方法である。1851年アーチャーによって『ケミスト』誌に紹介された。この方法の出現により、それ以前のダゲレオタイプ(銀板写真)やカロタイプ(紙ネガを用いる印画)などが実用から退いた。
[平木 収]
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