アームストロング(読み)あーむすとろんぐ(英語表記)William George Armstrong

  • 1810―1900

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イギリスの機械技術者。アームストロング砲の発明者。ニューカッスルに生まれ、ロンドンで法律を学び、初め弁護士となったが、科学の実験に興味をもち、蒸気力による発電機を考案したりした。1847年に法律を断念し、タイン河畔のウェルスウィックの小工場に入り、その共同出資者となって経営を指導、企業は盛大となった。1846年にはすでに水圧クレーンを発明製作し、1850年には水力蓄積機(水力アキュミュレーター)を発明、これはクレーン、リフトその他の機械の操作に広く応用された。
 クリミア戦争(1853~1856)によって彼の注意は大砲に向けられ、1855年にいわゆるアームストロング砲を発明した。従来の鋳鉄や青銅の大砲では破裂圧が低かったので、内部の鋼製の胴に金属リングを焼きばめし、のちには錬鉄のストリップを長いつるまき線に巻いて、これを管状に溶接した。また、先のとがった砲弾を用いることにも成功した。アームストロング砲はクリミア戦争で威力を発揮し、後の日清(にっしん)・日露戦争では日本海軍に勝利をもたらした。
 1859年にはウーリッジ兵器廠(しょう)長官となり、ナイトに叙せられた。1863年にもとの工場に戻り、大砲製作用の強力な水力機械を設計した。彼の会社はのちにビッカース社と合併し、ビッカース・アームストロング社(のちにビッカースとなり、ロールス・ロイス社の傘下企業となった)となり、ヨーロッパではクルップ社(現、ティッセン・クルップ社)に次ぐ兵器の大企業となった。[山崎俊雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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