イイギリ(飯桐)(読み)イイギリ(英語表記)Idesia polycarpa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イイギリ(飯桐)」の意味・わかりやすい解説

イイギリ(飯桐)
イイギリ
Idesia polycarpa

イイギリ科の落葉高木で,アジア東部の暖温帯に分布する。西日本の山地にしばしば自生するが,通常は庭木や公園樹として栽植される。高さ数mに達し,幹は灰褐色でややキリの肌に似て,皮目がある。葉は長い柄で互生し,長さ 10~20cmの大きな心臓形で先はとがる。葉柄上部に2個の蜜腺があるのが特徴である。5月頃,葉腋から長い総状花序を下垂し,黄緑色の小花を多数つける。雌雄異株で,雄花では多数の白いおしべが目立つ。秋に,真紅球形の実をつけ,落葉後も木に残るので美しい。この実を食べにいろいろな鳥が集る。飯桐の名はキリに似て,昔この葉に飯を盛ったためといわれる。

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