イタリア政界汚職事件(読み)イタリアせいかいおしょくじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イタリア政界汚職事件」の意味・わかりやすい解説

イタリア政界汚職事件
イタリアせいかいおしょくじけん

1992年に発覚したイタリア政界の汚職事件。ミラノ社会党を中心とした贈収賄事件は,捜査を進めるうちイタリア政界全体を巻込む構造汚職事件に発展した。 92年2月から 93年末までに捜査通告を受けた国会議員は,キリスト教民主党 (DC) の最高幹部で7回も首相を務めたアンドレオッチ元首相のほか,フォルラニ元首相 (同) ,デミタ元首相 (同) のほか,社会党のクラクシ元首相など 158人,非逮捕者を含む捜査対象者は 2000人以上に及んだ。政治改革を問う国民投票が 93年4月 18日実施され,小選挙区制を中心とする選挙制度改革が賛成 83%の圧倒的多数で可決され,94年3月,新制度による総選挙が実施された。その結果右翼連合は,下院で 630議席中 366議席,上院で 315議席中 155議席と勝利を収め,ベルルスコーニ政権が発足した。

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