イトーヨーカ堂(株)(読み)いとーよーかどう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イトーヨーカ堂(株)」の意味・わかりやすい解説

イトーヨーカ堂(株)
いとーよーかどう

スーパーマーケット業界の大手企業。1920年(大正9)東京・浅草で羊華堂洋品店として創業。第二次世界大戦後に千住(せんじゅ)に店を移した。1960年(昭和35)店舗にセルフサービスを導入、翌1961年には社長の伊藤雅俊(1924―2023)が欧米流通業界を視察して店舗のチェーン展開を開始し、スーパーとしての道を歩み出す。1965年に伊藤ヨーカ堂と改称、1971年にイトーヨーカ堂となる。1973年には、アメリカのデニーズ社と契約を結び、デニーズジャパン設立して、フランチャイズ方式の外食産業に進出するとともに、アメリカでセブンイレブン経営していたサウスランド社と提携して、日本のコンビニエンス・ストア業界の草分けとなるヨークセブン(現、セブン‐イレブン・ジャパン)を設立した。他社に先駆けてPOS(ポス)システムを導入するなど、流通革命の先端を歩み、スーパーのヨークマート設立やディスカウント・ストアのダイクマ(2013年ヤマダ電機に吸収合併)との業務提携などにより、流通分野で有力な企業グループを形成した。東日本中心であるが、堅実本位の経営と出店政策には定評があり、1991年(平成3)には、業績の悪化したサウスランド社の株式の70%を取得し、経営を支援することになった。また、2001年(平成13)にはセブン‐イレブン・ジャパンと共同決済専門銀行であるアイワイバンク銀行(現、セブン銀行)を設立した。2005年9月持株会社セブン&アイ・ホールディングスの設立により、セブン‐イレブン・ジャパン、デニーズジャパンなどとともに、その子会社となる。資本金400億円(2016)、売上高約1兆2556億円(2016)。

[中村青志]

『イトーヨーカ堂編纂・刊『変化対応――あくなき創造への挑戦 1920―2006』(2007)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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