イムル・ル・カイス(読み)いむるるかいす(英語表記)Imru' 'l-qays

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イムル・ル・カイス」の意味・わかりやすい解説

イムル・ル・カイス
いむるるかいす
Imru' 'l-qays
(500ころ―540ころ)

古代アラビアの代表的詩人。イエメン系のキンダ人の名門に生まれたが、その生涯定説を得ない。青年時代は酒色にふけり、たびたび父から勘当された。またしばしば自家復興の計画をたて、そのための援助を求めて諸部族の間を流浪したが、すべて失敗に終わり、ますます快楽に身を任すことになる。コンスタンティノープルに赴いてユスティニアヌス帝に謁見したのち、帰途アンカラで病死したと伝えられる。生涯のさまざまの経験をもとに詩作に努め、『ムアッラカ』とよばれる長詩をはじめ、その詩はアラブ古詩中随一と評価される。

[内記良一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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