イラーキー(Abū-l-Qāsim al-‘Irāqī)(読み)いらーきー(英語表記)Abū-l-Qāsim al-‘Irāqī

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

イラーキー(Abū-l-Qāsim al-‘Irāqī)
いらーきー
Abū-l-Qāsim al-‘Irāqī

生没年不詳。13世紀後半にイスラムで活躍した錬金術師。彼は実験に基づき、多くの著書を出した。そのうち『金の培養の知識の書』Kitāb al-‘ilm al-muktasab fī zirā‘at al-dhahabでは、金属の本質的単一性と金属変換の可能性を述べている。また『錬金術と呼ぶ学問についての七つの地域の書』Kitāb al-aqālīm al-sab‘a fī-l-‘ilm al-mausūm bil-san‘aでは、錬金術の社会的な面、つまりその技術の秘密の義務を述べた。このことは当時の錬金術師たちにとって歓迎すべき見解であった。

平田 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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