日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 イリ(盆地および川の名)いり / 伊犂Ili 中央アジア、天山(てんざん)山脈の中央部北麓に広がる盆地、およびそこを流れる川の名。イリの名は紀元前2世紀の中国の記録『史記』に伊列(いれつ)として現れる。以降、東西交渉路上の草原ルートの要地として、また中央アジアに興亡した遊牧民族の根拠地として著名である。19世紀末に清(しん)朝とロシアとにより政治的に二分され、現在に至っている。中国領では新疆(しんきょう)ウイグル自治区のイリ・カザフ族自治州南部、中央アジアではカザフスタン共和国の東カザフスタン州の一部が旧イリに相当する。[堀 直][参照項目] | イリ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例