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インスタントコーヒー論争 いんすたんとこーひーろんそう

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知恵蔵2015の解説

インスタントコーヒー論争

インスタントコーヒーの定義と、ネスレ日本株式会社による新製法の湯水に溶かして飲むタイプのコーヒーの分類を巡る論争。同社は、細かく挽いたコーヒー豆の粒子を、凍結乾燥させたソリュブル(可溶性)コーヒーで包むという新製法を開発。これによる製品を、インスタントでもレギュラーでもない新ジャンルの「レギュラーソリュブルコーヒー」だとしている。これに対し、根本的にはインスタントコーヒーだとする同業他社と見解が対立。ネスレ日本全日本コーヒー公正取引協議会及び一般社団法人全日本コーヒー協会を脱退するに至った。
ネスレ日本(旧称ネッスル)は、スイスにある世界最大の食品メーカーであるネスレ社の日本法人である。同社が日本でインスタントコーヒーを発売したのが1960年。現在は日本で消費されるコーヒーの4分の1、年間120億杯を同社が供給している。同社は2010年にインスタントコーヒー「香味焙煎(こうみばいせん)」シリーズの製法をレギュラーソリュブルコーヒーに変更して発売。これを「挽(ひ)き豆包み製法」と称し、味の深みや香りを深めた新ジャンルの製品だとする。この製法を13年9月にはネスカフェ全製品に採用し、各製品の呼称をインスタントコーヒーからレギュラーソリュブルコーヒーに変更すると発表した。
日本のコーヒー事業者団体が設定し、消費者庁などが認定した公正競争規約によると、インスタントコーヒーの定義は「コーヒーいり豆から得られる抽出液を乾燥した水溶性の粉状、顆粒(かりゅう)状その他の固形状のコーヒー」である。このため、128社が加盟する全日本コーヒー公正取引協議会は14年6月に、ネスレ製品について「インスタントコーヒー(レギュラーコーヒー入り)」と表示されるべきものとし、新ジャンルや「レギュラーソリュブルコーヒー」という名称の使用を一切認めないと決定した。また、広告においても「レギュラーソリュブルコーヒー」の表記を不当表示として制限する公正競争規約改定案を採択した。
ネスレ日本はこれに反発し、同年7月、全日本コーヒー公正取引協議会及び一般社団法人全日本コーヒー協会を脱退。更に高岡浩三ネスレ日本社長が会長を務めていた日本インスタントコーヒー協会(9月末での脱会承認)、日本珈琲輸入協会の脱会も表明した。同社は脱退により規約の拘束から免れ、今後はJAS法を順守した表示を行うという。消費者庁からは「消費者が著しく誤解しない限りは問題ない」とする以外の明確な答えが無く、この論争の決着は得られていない。(14年8月4日現在)

(金谷俊秀  ライター / 2014年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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