日本大百科全書(ニッポニカ) 「インズ・オブ・コート」の意味・わかりやすい解説 インズ・オブ・コートいんずおぶこーとInns of Court イギリスの弁護士のうちバリスターbarrister(ソリシターと対比される)の養成にあたる機関。現在は、リンカーンズ・イン、インナー・テンプル、ミドル・テンプル、およびグレイズ・インの四つがある。バリスター(法廷弁護士)になるためには、これらのいずれかに入学して学期に出席し、インズ・オブ・コートの代表で組織される法学教育評議会が実施する試験に合格しなければならない。また、それぞれのインは、バリスターの自治団体としての性格をもち、独立して、資格の付与または剥奪(はくだつ)を行う。[堀部政男][参照項目] | ソリシター 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「インズ・オブ・コート」の意味・わかりやすい解説 インズ・オブ・コート 英国における法廷弁護士(バリスターBarrister)を教育し資格を与えるためにロンドンに設置された機関。始まりは14世紀ごろ。法学院と訳されるが,互いに独立し平等な4つのイン(リンカーンズ・イン,インナー・テンプル・イン,ミドル・テンプル・イン,グレイズ・イン)から成るところから四法学院ともいう。イン(宿屋)という名称から明らかなように,法曹界を志す人たちの寄宿舎がその起源にある。英国の法体系の根幹をなすコモン・ローの発達への貢献はきわめて大きい。今日でも法廷弁護士,裁判官はいずれかのインに属する。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報