ウィキペディア

デジタル大辞泉 「ウィキペディア」の意味・読み・例文・類語

ウィキペディア(Wikipedia)

ハワイ語wikiwiki(速い)に由来する編集システム名Wikiと、encyclopedia(百科事典)とを合わせた造語》インターネット上で利用できる百科事典。無料で閲覧でき、書き込むこともできる。2001年に米国で英語版が開設。その後、多数の言語版がそれぞれ設けられた。

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百科事典マイペディア 「ウィキペディア」の意味・わかりやすい解説

ウィキペディア

ウィキメディア財団が展開するインターネット上の百科事典名称は使用する文書作成システム〈ウィキ〉(Wiki)と,事典を意味する〈エンサイクロペディア〉に由来する。アメリカのラリー・サンガー,ジミー・ウェールズらによって創設。多言語プロジェクトとして2001年1月に最初の英語版が発足,2006年3月現在200以上の言語で展開される。アクセス数・項目数・プロジェクト参加者ともに英語版が最大で,2006年3月現在で項目数約101万。2007年5月現在の項目数179万。ドイツ語版,フランス語版,ポーランド語版,日本語版の項目数がこれに次ぐ。日本語版は2002年9月より開始,2003年初頭に複数のメディアで取り上げられるとともに急激に成長,2003年6月に1万項目を超え,2007年5月現在で約37万項目。ウィキペディアの最大の特徴は,ウェブブラウザを使ってWWWサーバ上のハイパーテキスト言語を書き換えるシステム〈ウィキ〉の機能を利用して,参加者なら誰でも項目執筆することができ,また既存の内容を加筆・編集することもできる点にある。編集履歴はすべて記録され,誤った内容や特定意図をもった書込みに対処しうる。不特定多数の人びとの知識を集約するオープンソース百科事典として発展性・柔軟性が非常に大きく,現実に数年間で項目数の驚異的な増加を見たが,立項された項目が必ずしも網羅的でないこと,記述の充実度が項目ごとに異なること,記述の正確さを保証する責任者がいないことなど,参加者の自己管理に頼るコンテンツ固有の問題も現状で多く存在する。なお同財団の運営資金は寄付によってまかなわれ,執筆・編集は無報酬のボランティア形式である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィキペディア」の意味・わかりやすい解説

ウィキペディア
Wikipedia

インターネット上で無料で利用できる百科事典。コンピュータ・プログラムのオープンソース方式と同じ考え方で運営され,「ウィキ」 wikiと呼ばれる共同作業型ソフトウェアを利用して,利用者が自由に記事を投稿・編集ができるのが最大の特徴。英語版は 2001年に開設された。従来の百科事典では対象外であった大衆文化に関する項目も数多く扱われている。英語版のほかに日本語,フランス語,ドイツ語,ヘブライ語,中国語,エスペラント語など多数の言語版がある。 1998年債券トレーダーとして成功したジミー・ウェールズが,カリフォルニア州サンディエゴでウェブポータル会社ボミス Bomisを設立。 2000年ラリー・サンガーを編集主幹として無料オンライン百科事典『ヌーペディア』 Nupediaを開設した。『ヌーペディア』は従来の百科事典と同様の管理体制をとっていたが,サンガーは書き込みを自由にさせて補遺を募ることを提案。 2001年『ウィキペディア』が『ヌーペディア』のサイト上で公開された。しかし編集顧問機関の反対にあったため,数日後に独立のウェブサイトとして再スタートした。『ヌーペディア』は 2004年に閉鎖され,その記事は『ウィキペディア』が引き継いだ。『ウィキペディア』の基本原則の一つは中立性であり,もう一つは投稿者の誠実さと慎重さに対する信頼である。ほかに,著作権のある素材を使用しないこと,独自の研究を投稿しないこと,それ以外のルールは定めないことを三本柱としている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィキペディア」の意味・わかりやすい解説

ウィキペディア
うぃきぺでぃあ
Wikipedia

無料で使うことができるインターネット上のオンライン百科事典。不特定多数の人たちが、自由に執筆、加筆、修正できる点が特徴である。2001年1月、アメリカのジミー・ウェールズJimmy Donal Wales(1966― )が個人的なプロジェクトとして開始。現在は非営利団体のウィキメディア財団Wikimedia Foundation, Inc.が運営しており、全世界200以上の言語でプロジェクトが進められている。日本語版は2001年(平成13)5月から開始され、2010年3月の時点ですでに60万項目以上の記事が掲載されている。

 全プロジェクトで使用しているソフトウェアのメディアウィキMediaWikiは、アメリカのウォード・カニンガムWard Cunningham(1949― )が開発したWikiWiki(ハワイ語で速いという意味)というウェブサイトのコンテンツ管理システムを活用したもの。ブラウザー上で閲覧、追加、修正、編集などの作業が可能。時系列で管理する掲示板などに対して、作成後の成果のみで管理する点が特徴である。

[編集部]

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図書館情報学用語辞典 第5版 「ウィキペディア」の解説

ウィキペディア

インターネット上で公開され,誰もが自由に執筆,修正できる百科事典を構築するプロジェクト,またはその事典.ウェブブラウザを利用してウェブサーバ上のHTML文書を書き換えるシステムWikiを用い,GNUフリー文書利用許諾契約に基づいて公開されている.誰もが修正できるため,その正確さが課題となるが,2005年のNature誌の調査によると,自然科学の項目に関する正確さはEncyclopaedia Britannicaと遜色がなかった.2001年に2人のアメリカ人によって英語版が開始,その後各国語版が追加された.2020年1月現在,言語数は300を超え,記事は総数5,190万件,最多の英語版で590万件,日本語版で118万件を超えている.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

知恵蔵 「ウィキペディア」の解説

ウィキペディア

非営利のウィキメディア財団(The Wikimedia Foundation = 本部は米国)がインターネット上で運営する、無料の百科事典サービス。誰でも自由に利用できる。2008年8月現在、200以上の言語で提供されており、項目数も英語版で約250万語、日本語版で約50万語と膨大な用語を掲載している。通常の辞書と違うのは、専門家でなく誰もが内容を編集できるということ。自由に項目を追加できるため、日本では俳優の経歴やドラマ、マンガの概要などまで収録されている。その反面、ファッション系など書き手の少ない分野の語句には弱いともされる。最初は間違いが多いが、不特定多数の人々により修正され、辞書として洗練されていくことが期待されているが、弊害もある。2007年には政府機関や企業などから行われた編集によって、趣味や専門知識による情報修正に加え、不都合な情報の削除、利害関係にある他者の中傷、自らの関係者・製品の賛美などが行われていた事実が明らかとなり、大きな話題となった。また、専門性は高いが周囲の関心は薄いような項目については誤った内容が長期にわたり放置される可能性もある。ウィキペディア全体の信頼性はかなり高いとはいえ、そのことが必ずしも個々の記事の信頼性と同一ではないことを意識して利用する必要があろう。

(斎藤幾郎 ライター / 2008年)

ウィキペディア

Wikipedia」のページをご覧ください。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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