日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウィリアムズ(Eric Williams)
うぃりあむず
Eric Williams
(1911―1981)
トリニダード・トバゴの政治家、歴史学者。オックスフォード大学卒業後、ワシントンのハワード大学教授として社会学、政治学を講じる(1936~1953)。1956年に「人民国家運動党」(PNM)を結成。自治権を獲得すると(1959)首相となり、独立(1962)後死去するまで20年以上もの間、首相の地位にあった。歴史学者としては、植民地人の立場から、資本主義の生み出した帝国主義政策や植民地主義を痛烈に批判した著書を次々に発表し世界の歴史学会に大きな衝撃を与えた。主著は『資本制と奴隷制』(1944)、『帝国主義と知識人』(原題『イギリスの歴史家たちと西インド諸島』1964)、『コロンブスからカストロまで』(1970)など。
[田中 浩]
『田中浩訳『帝国主義と知識人』(1979・岩波書店)』▽『川北稔訳『コロンブスからカストロまで』(1978・岩波書店)』