ウィルソン(Colin Wilson)(読み)うぃるそん(英語表記)Colin Wilson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウィルソン(Colin Wilson)
うぃるそん
Colin Wilson
(1931―2013)

イギリスの作家、批評家。父親はレスターの靴工場で働いていた。貧しかったため、16歳のときに学校をやめざるをえなくなるが、その後ほとんど独学古今文学・思想書を読破し、1956年に『アウトサイダー』を発表、現代文明と人間関係を論じた同書は1950年代の「怒れる若者たち(アングリー・ヤングメン)」を代弁するものとして多くの話題をよんだ。その後評論宗教と反抗人』(1957。邦訳文庫版では『宗教とアウトサイダー』下)をはじめほぼ毎年1冊の割で小説『暗闇(くらやみ)のなかの儀式』(1960。邦訳『暗黒のまつり』)、『賢者の石』(1969)、自伝発端への旅』(1969)、音楽論『コリン・ウィルソン音楽を語る』(1967)、ミステリーガラスの檻(おり)』(1966)、さらにオカルト研究『オカルトの歴史』(1971。邦訳『オカルト』)などを発表、その後神秘主義的傾向を強めた。

富士川義之

『中村保男訳『ガラスの檻』(1967・新潮社)』『中村保男訳『暗黒のまつり』(1968・新潮社)』『河野徹訳『コリン・ウィルソン音楽を語る』(1989・冨山房)』『飛田茂雄訳『発端への旅』新装版(1991・竹内書店新社)』『中村保男訳『アウトサイダー』(集英社文庫)』『中村保男訳『賢者の石』(創元推理文庫)』『中村保男訳『宗教とアウトサイダー』上下『夢見る力――文学と想像力』『オカルト』上下(河出文庫)』

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