ウィルソン(Sir Harold Wilson)(読み)うぃるそん(英語表記)Sir Harold Wilson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウィルソン(Sir Harold Wilson)
うぃるそん
Sir Harold Wilson
(1916―1995)

イギリスの政治家。オックスフォード大学を卒業後、同大学で経済学を講じた。第二次世界大戦中に官界に入り、1945年7月の選挙で労働党下院議員となった。アトリー内閣では海外貿易相、商相を務めたが、1951年国防費増加に反対してベバン労相とともに辞任した。1963年ゲイツケルの死後、労働党党首に就任し、翌1964年の選挙で労働党を勝利に導いて首相の座についた。「科学革命時代の社会主義」を唱え、没落兆候をはっきりと示していたイギリス経済・社会の活性化を意図したものの、実を結ばず、1967年にはポンドの大幅切下げを行わねばならなかった。1970年6月の選挙で保守党政権を譲ったが、1974年にふたたび首相となり、賃金抑制のための社会契約の実施、ヨーロッパ共同体EC)への残留をめぐる国民投票などを行った。1976年3月に突如首相辞任を発表し、任期なかばで退いた。

[木畑洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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