ウィルヘルム・マイスター

世界大百科事典 第2版の解説

ウィルヘルム・マイスター

ゲーテの長編小説。《修業時代Wilhelm Meisters Lehrjahre》8巻(1796)と《遍歴時代Wilhelm Meisters Wanderjahre》3巻(1829)とから成っているが,両者は内容・構成の面で著しく異なっている。題名はドイツの伝統的な職人の徒弟制度の名称を取り入れ,秘密結社フリーメーソンとの関連を暗示している。 《修業時代》は,第6巻〈美しき魂の告白〉を中心に前半と後半に分かれ,主人公ウィルヘルムだけでなくさまざまな男女の人間形成の正と負の可能性を描いている。

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世界大百科事典内のウィルヘルム・マイスターの言及

【教養小説】より

…教養小説は,それがすぐれたものであればあるほど,こうした現実を作中に背負いこむことになり,その結果,主人公の自己形成は非常に困難な課題として描かれる。ゲーテの《ウィルヘルム・マイスター》(〈修業時代〉1796,〈遍歴時代〉1829)は教養小説の典型だとされているが,〈修業時代〉において主人公ウィルヘルムを自己形成へと導く〈塔の結社〉の人々は,〈遍歴時代〉の結末においては,理想の共同体を実現するために,ヨーロッパを離れて新世界(アメリカ)へ旅立つ。また,ヘルダーリンの《ヒュペーリオン》(1797,99)の主人公は,自由な個人の存在を可能にする理想の国家の実現をめざしてギリシア独立戦争に参加しながら,戦争の現実に絶望して隠者となり,自然の美しさのなかにわずかな慰めを見いだす。…

※「ウィルヘルム・マイスター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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