ウィーゼル(Elie Wiesel)(読み)うぃーぜる(英語表記)Elie Wiesel

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウィーゼル(Elie Wiesel)
うぃーぜる
Elie Wiesel
(1928―2016)

アメリカのユダヤ系作家。ルーマニア生まれ。ナチスのユダヤ人強制収容所の生き残りの一人。第二次世界大戦後フランスのパリに移り、パリ大学を卒業。1956年アメリカのニューヨーク移住、1963年アメリカの市民権を獲得。1970年ニューヨーク市立大学、1976年ボストン大学の教授。強制収容所で父親や姉妹が殺されるのを目撃し、その激烈な体験をもとに著作活動を行い、人権問題、人種差別反対運動を展開。代表的著作に、ナチ強制収容所で恐怖と絶望の日々を送った少年を主人公にした『夜』、イスラエル独立のためのテロリストになった青年苦悩を描いた『夜明け』『昼』の小説3部作がある。その他の著書に『幸運の町』『死者の町』、戯曲『ザルメンまたは神の狂気』、随筆沈黙のユダヤ人』『二つの太陽の間で』など。1986年にノーベル平和賞を受賞。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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