ウェスト・バージニア(読み)うぇすとばーじにあ(英語表記)West Virginia

翻訳|West Virginia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウェスト・バージニア」の意味・わかりやすい解説

ウェスト・バージニア
うぇすとばーじにあ
West Virginia

アメリカ合衆国、中東部の州。面積6万2629平方キロメートル、人口180万8344(2000)。北はペンシルベニア州およびメリーランド州と、南東部はバージニア州と、南西部はケンタッキー州と、西はオハイオ州と、それぞれ接する。州都チャールストン。最大の都市はハンティントン。その他主要都市としては、ホイーリングパーカーズバーグクラークスバーグなどがある。州の大部分アパラチア山脈の中にあり、州面積の約80%はアレゲニー高原である。東部はアパラチア山脈の縦谷地域で、州の標高の最高地点(スプルース・ノブ、1483メートル)と最低地点(ハーパーズ・フェリー、73メートル)もこの地域内にある。アレゲニー高原をほぼ北に流れ、オハイオ川に合流するカナワ川、ニュー川、モノンガヒーラ川は、州内の重要な河川交通路となっている。州の大部分は湿潤大陸性気候で、チャールストンの1月の平均気温は2.5℃、7月の平均気温は24.4℃、年降水量は1109ミリメートルである。

 州の約60%は森林で覆われ、農耕地はオハイオ川流域とアレゲニー高原の中の谷底、および東部のポトマック川流域に限られる。おもな農産物はリンゴ、干し草トウモロコシ、タバコであるが、販売額の多いのは肉牛、畜産品、リンゴ、鶏卵である。鉱物資源が多く、瀝青炭(れきせいたん)、天然ガス珪砂(けいさ)、陶土岩塩などを利用して、鉄鋼業、ガラス工業、化学工業が発達している。

 州の開発は、1670年代の白人の毛皮商人などによる探検から始まったが、東部にある山地のためイギリス系植民者の入植が遅れ、1730年ごろにペンシルベニアからのドイツ系植民者が、ポトマック川沿いに最初の町を建設した。18世紀中ごろから、イギリス系植民者がアレゲニー高原を越えて西部の開拓を進めた。1863年、バージニア州から分離して合衆国35番目の州となった。

[菅野峰明]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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