日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウェッブ(Philip Speakman Webb)
うぇっぶ
Philip Speakman Webb
(1831―1915)
イギリスの建築家。G・E・ストリートの建築事務所で働いているときに、ウィリアム・モリスと出会い、以後生涯を通じての協力が続いた。1860年、モリスのために、近代住宅史に名高い「赤い家(レッドハウス)」を完成したが、この作品によってウェッブは建築家として初めて世に知られた。以後モリス商会のためのインテリア関係の仕事も多く残した。ウェッブの建築家としての本領は、大規模なカントリーハウスの設計において発揮され、その円熟した作風は、クラウズ(1887)やスタンデン(1894)などの住宅に示されている。いずれも設計者の細部に徹底する性格を反映して、実直で堅実な内容をみせている。
[長谷川堯]