ウォッシュ・アンド・ウエア(読み)うぉっしゅあんどうえあ(英語表記)wash and wear

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウォッシュ・アンド・ウエア
うぉっしゅあんどうえあ
wash and wear

繊維加工の一方法であり、ことばのとおり、洗濯したのち絞らずに乾燥させれば、アイロン掛けの必要がなく、すぐに着用できる加工方法である。とくに木綿、絹、レーヨンなどのようなセルロース系繊維の性能は、吸湿性に優れているが、水に対して膨張し、収縮、型くずれ、しわができやすいことである。そのため樹脂加工して樹脂と繊維とを反応させて、親水基を封鎖したり、膨潤を抑制する働きをもたせる加工方法がとられる。合成樹脂(エチレン尿素系、アセチレンジ尿素系、トリアゾン系など)10%水溶液に繊維を浸し、乾燥後120℃程度に加熱(ベーキング)し、樹脂を硬化させる。主としてポリエステルと木綿、木綿とレーヨンの混紡織物に使われ、ブラウスワイシャツ、スカート、ズボンなどに利用されるが、商標名として、ベルファスト、バンケア、ベスター、マーベライズなどとよばれているものがある。

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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