ウォーレン(Earl Warren)(読み)うぉーれん(英語表記)Earl Warren

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウォーレン(Earl Warren)
うぉーれん
Earl Warren
(1891―1974)

アメリカ合衆国司法官、政治家。1953年から1969年までの16年間、アメリカ合衆国最高裁判所長官を務め、この国の政治や社会に非常に大きな影響を与えた。その時期の最高裁をウォーレン・コートとよぶことがある。ロサンゼルスに生まれ、1914年カリフォルニア大学バークリー校を卒業後、弁護士実務などを経て、カリフォルニア州司法長官(1939~1943)、同州知事(1943~1953)を歴任した。ウォーレンは、最高裁長官就任の翌1954年に教育における人種差別憲法違反とする判決(ブラウン対教育委員会事件判決)を下したのをはじめ、刑事手続における人権保障の強化、選挙における投票価値の平等化、公務員に対する批判の自由化等を図る判決を出して、大きな注目を集めた。ケネディ大統領の暗殺事件に関して、その調査を手がけたことでも知られている。その哲学はリベラルな司法積極主義とよぶことができる。1974年7月9日没。

堀部政男

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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