日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ウスペンスキー(Nikolay Vasil'evich Uspenskiy)
うすぺんすきー
Николай Васильевич Успенский/Nikolay Vasil'evich Uspenskiy
(1837―1889)
ロシアの小説家。最下層の田舎(いなか)司祭の子。大学中退後作家活動に入る。農奴解放(1861)前はネクラーソフら進歩派の支持を得たが、個人的不和から寄稿する雑誌を転々と変えた。晩年は放浪と飲酒に明け暮れ、破滅型無頼派らしく路上で自殺して果てた。作品世界の特徴は、農民の赤貧、無知が結果する精神と肉体の荒廃をリアルに描出する点にある。『子豚』(1858)、『よい暮らし』(1858)などの作品がある。
[島田 陽]