ウラギク(読み)うらぎく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウラギク」の意味・わかりやすい解説

ウラギク
うらぎく / 浦菊
[学] Tripolium pannonicum (Jacq.) Dobrocz.
Aster tripolium L.

キク科(APG分類:キク科)の二年草。名は、本種が海岸生であることによる。別名ハマシオンともいう。茎は直立し、高さ25~80センチメートルで無毛、下部赤みを帯びる。8~11月、茎上部が散房状に分枝し多数の頭花をつけて開く。頭花は紫色の舌状花と黄色の管状花とからなる。花茎は約2センチメートル。果実は狭長楕円(だえん)形で扁平(へんぺい)、長さ2.5~3ミリメートル、頂端に冠毛がある。冠毛は花期に長さ5ミリメートル、果期には14~16ミリメートルに伸長する。果実の特徴を重視して別属Tripolium Nees.とする意見もある。北海道東部、本州の関東地方以西の太平洋側、四国、九州の海岸でみられ、ユーラシア暖帯から温帯に広く分布し、海岸または内陸の塩性地に生育する。

[小山博滋 2022年1月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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