ウルムチ(烏魯木斉)特別市(読み)ウルムチ(英語表記)Ulumuqi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ウルムチ(烏魯木斉)〔特別市〕
ウルムチ
Ulumuqi

中国西北地方,シンチヤン (新疆) ウイグル (維吾爾) 自治区の行政中心地。自治区の中部,テンシャン (天山) 山脈のボグダ (博格多) 山北西麓,ウルムチ河岸にある。ウルムチとはモンゴル語で「優美な牧場」を意味する。天山北路の要地で,清の乾隆年間から遊牧民を教え導くという意味で「迪化 (てきか) 」と呼ばれたが,1954年旧称に復した。自治区の政治,文化,商業,交通の中心地。鉱工業都市でもあり,火力発電所が建設され,鉄鋼,機械,化学肥料,セメント,紡織,染色,窯業,食品などの工場が立地し,炭田も開発された。交通ではランシン (蘭新) 鉄道の終点にあたり,西北地方,西南地方の各省や自治区の各地に自動車道が通じる。定期空路は自治区の主要都市に通じるほか,ランチョウ (蘭州) 市経由で全国各地に通じ,パキスタンとの間にも開かれている。旧市街はウルムチ川の東岸にあり,西岸に新市街地が広がる。緑が多く,人民公園,スポーツセンター,高等教育機関など文化・教育施設も整備されている。南郊の風致地区に毛沢民ら革命烈士の墓がある。北東郊に温泉が湧出する。郊外ではオアシス拡張がはかられ,南郊に灌漑用のホンイエンチー (紅雁池) ダムがある。人口 138万 4195 (1990) 。

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