エア(バビロニア神話)(読み)えあ(英語表記)Ea

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エア(バビロニア神話)」の意味・わかりやすい解説

エア(バビロニア神話)
えあ
Ea

バビロニア神話水神。もとはシュメールの神であったが、のちにセム人の間でも尊崇されるようになり、しばしばエンキと同一視された。エアは知恵をつかさどる神とみなされ、南メソポタミアのエリドゥにあった神殿エ・アブズ(深淵(しんえん)の住まいの意)が崇拝の中心地であった。また天神アヌ、および大地の神エンリルらとともにシュメール、バビロニア宗教において最上位の神とされ、多くの宗教や神話文書に言及されている。人間の創造者であり、また『ギルガメシュ物語』の大洪水説話にみられるように、しばしば人間を救うものであった。

矢島文夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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