日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
エステス(Eleanor Estes)
えすてす
Eleanor Estes
(1906―1988)
アメリカの児童文学作家。コネティカット州ウェスト・ヘイブンに生まれる。プラット・インスティテュート・ライブラリー・スクール卒業。ニューヨーク市で児童図書館員を勤めながら書いた処女作『元気なモファットきょうだい』(1941)が好評を博し、それを機に作家の道に進む。続編『ジェーンはまんなかさん』(1942)、『すえっ子のルーファス』(1943)と続く三部作が代表作となる。スロボドキンが挿絵を描く『百まいのきもの』(1944)は、幼年物語の古典となる。『すてきな子いぬジンジャー』(1951)でニューベリー賞を受賞。後期の作品『コート・ハンガー・クリスマス・ツリー』(1973)は、リアリズム児童文学の傑作と評価される。アルバータス・マグナス大学より名誉博士号を贈られる。
[渡辺茂男]
『石井桃子訳『百まいのきもの』(1951・岩波書店)』▽『渡辺茂男訳『げんきなモファットきょうだい』(1988・岩波書店)』