オコナー(Flannery O'Connor)(読み)おこなー(英語表記)Flannery O'Connor

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

オコナー(Flannery O'Connor)
おこなー
Flannery O'Connor
(1925―1964)

アメリカの女流作家ジョージア州生まれ。南部を舞台に暴力流血の物語や南部婦人の上品主義を風刺した作品を書く。一見きわめてセンセーショナルな印象の特異な作家であるが、彼女自身は戦闘的なカトリック教徒として、いかなる手段によっても世人をキリスト救済に目覚めさせねばならないという信念根底にもっていた。信仰者の苦闘を描いた長編2冊――『賢い血』(1952)、『烈(はげ)しく攻むる者はこれを奪う』(1960)、短編集2冊――『善人は見つけ難し』(1955)、『昇るものみな一点に』(1965)、エッセイ集『神秘と風習』(1969)がある。死後も依然としてアカデミックな研究対象とされている重要な作家である。

[渋谷雄三郎]

『須山静夫訳『賢い血』(1970・冨山房)』『佐伯彰一訳『烈しく攻むる者はこれを奪う』(1971・新潮社)』『須山静夫訳『オコナー短編集』(新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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