日本大百科全書(ニッポニカ) 「オットー(3世)」の意味・わかりやすい解説
オットー(3世)
おっとー
Otto Ⅲ
(980―1002)
ザクセン朝第4代のドイツ国王(在位983~1002)、神聖ローマ皇帝(在位996~1002)。父オットー2世の死後3歳で王位を継ぎ、初めは母后が、彼女の死後は祖母アーデルハイトが摂政として国政をとった。一時、一族のバイエルン大公ハインリヒ・デア・ツェンカーが位を奪おうとしたが、成功しなかった。994年以降親政を開始、996年第1回ローマ遠征を行い、従兄弟(いとこ)ブルンをグレゴリウス5世として教皇位につけ、その手で皇帝として戴冠(たいかん)された。彼は母から古典的教養を仕込まれたためもあって、古代ローマ帝国の復興を夢み、積極的なイタリア統治を試みたが、若年で病死したため、その企ては挫折(ざせつ)した。
[平城照介]