オベロン(英語表記)Oberon

翻訳|Oberon

デジタル大辞泉 「オベロン」の意味・読み・例文・類語

オベロン(Oberon)

ヨーロッパ中世以来の伝説で、妖精の王。仙女ティタニアの夫。シェークスピアウィーラントなどの作品に登場する。
天王星の第4衛星。1787年にF=W=ハーシェルが発見。名はシェークスピアの「真夏の夜の夢」に登場するに由来。天王星系で2番目の大きさで、表面にはクレーター峡谷が見られる。直径は約1520キロ(地球のおよそ0.12倍)。平均表面温度はセ氏マイナス212度以下。
ウェーバーオペラ。全3幕。正式名称は「オベロン、または妖精の王の誓い」。1826年にロンドン初演。中世フランスロマンス題材とするウィーラントによる叙事詩オーベロン」に基づく。

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精選版 日本国語大辞典 「オベロン」の意味・読み・例文・類語

オベロン

(Oberon) ドイツ、フランスの伝説に出てくる妖精の王。仙女王ティタニアの夫。ウィーラントの長編叙事詩「オベロン」と、それを脚色したウェーバーの同名歌劇があるほか、シェークスピアなどの作品にも登場する。

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改訂新版 世界大百科事典 「オベロン」の意味・わかりやすい解説

オベロン
Oberon

チュートンの民間伝承に属するドワーフ小人)系の妖精。各国中世伝説にさまざまな姿で現れている。ドイツの《ニーベルンゲンの歌》で英雄ジークフリートが獲得する秘密を守る小人の妖精王はアルベリヒAlberichで,〈エルフの王〉の意。フランスの中世騎士物語《ボルドーユオン》では,主人公を超人的な力で助ける背丈3フィート(約90cm)の森の妖精王として現れ,名まえもオーベロンAuberonに変化した。一説にはアーサー王伝説の湖の精モルガンとシーザーカエサル)の息子といわれ,誕生時に妖精ののろいで小さくされ,また超能力も与えられたといわれている。シェークスピアはこうした中世伝承を総合し独自の想像力によって,女王ティタニアを妃とする一大妖精王国の王にオベロンを仕立てた。それ以来イギリスでは一般に,オベロンは妖精王の別名となっている。
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百科事典マイペディア 「オベロン」の意味・わかりやすい解説

オベロン

妖精(ようせい)の王。フランス,ドイツの伝説の小人アルベロン,アルベリヒの変形したもの。フランス13世紀初頭の武勲詩《ボルドーのユオン》に登場,主人公を助けてユオンの美女エスクラルモンドを征服させる。のちチョーサースペンサーウィーラントウェーバーがオペラ化)の作品,シェークスピアの《夏の夜の夢》にも登場する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オベロン」の意味・わかりやすい解説

オベロン
Oberon

天王星の第4衛星。 1787年 W.ハーシェルによって発見された。実視等級 14.1等,半径 400km。公転周期約 13日半。

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デジタル大辞泉プラス 「オベロン」の解説

オベロン

ドイツの作曲家カール・マリア・フォン・ウェーバーのドイツ語による全3幕のオペラ(1826)。原題《Oberon》。クリストフ・ヴィーラントの同名の叙事詩に基づく。

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