翻訳|Oberon
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チュートンの民間伝承に属するドワーフ(小人)系の妖精。各国中世伝説にさまざまな姿で現れている。ドイツの《ニーベルンゲンの歌》で英雄ジークフリートが獲得する秘密を守る小人の妖精王はアルベリヒAlberichで,〈エルフの王〉の意。フランスの中世騎士物語《ボルドーのユオン》では,主人公を超人的な力で助ける背丈3フィート(約90cm)の森の妖精王として現れ,名まえもオーベロンAuberonに変化した。一説にはアーサー王伝説の湖の精モルガンとシーザー(カエサル)の息子といわれ,誕生時に妖精ののろいで小さくされ,また超能力も与えられたといわれている。シェークスピアはこうした中世伝承を総合し独自の想像力によって,女王ティタニアを妃とする一大妖精王国の王にオベロンを仕立てた。それ以来イギリスでは一般に,オベロンは妖精王の別名となっている。
執筆者:井村 君江
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