オリンパス(株)(読み)おりんぱす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オリンパス(株)」の意味・わかりやすい解説

オリンパス(株)
おりんぱす

総合光学機器メーカー。1919年(大正8)顕微鏡の国産化を目ざして東京に株式会社高千穂(たかちほ)製作所が設立された。1927年(昭和2)に安価、高品質で倍率1000倍以上の顕微鏡製作に成功、「オリンパス」の商標で発売した。1936年に最初のカメラ「セミオリンパス」の製造を開始。1942年社名を高千穂光学工業と変更し、さらに第二次世界大戦後の49年(昭和24)にはオリンパス光学工業と変更した。1960年ころには50種類を超す各種顕微鏡を生産輸出比率も40%を超えた。カメラ部門は1959年に国産初のハーフサイズカメラ「オリンパスペン」を発売、ハーフサイズブームを起こした。医療機器の分野では、ファイバースコープによる各種内視鏡を開発、1980年に世界に先がけて超音波内視鏡を開発したほか、各種血液自動分析装置も開発している。同社は早い時期から輸出に力を入れ、販売拠点として、1963年にドイツハンブルクに事務所を開設、翌64年にオリンパス・ヨーロッパを設立した。さらに1968年にオリンパス・コーポレーション・オブ・アメリカ(現オリンパス・アメリカ・インク)を設立、その後もアジア各地に製造販売拠点を設置している。カメラ、顕微鏡、医療用内視鏡、血液分析装置を生産の柱とし、内視鏡は世界シェア7割を占める。2003年(平成15)社名をブランド名の「オリンパス」に変更した。資本金483億円(2008年3月)、売上高1139億円(2008年3月)、従業員数3132(2008年3月)。

[中村青志]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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