精選版 日本国語大辞典 「オレンジ」の意味・読み・例文・類語
オレンジ
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かんきつ類のうち,ミカン属(カンキツ属ともいう)Citrusに含まれるものの一群で,大きく次の三つに分けられる。(1)スイートオレンジC.sinensis Osbeck(英名sweet orange) アマダイダイ(甘橙)といわれる種類。普通にオレンジというとこのスイートオレンジをさす。さらにバレンシアオレンジなどの普通系オレンジcommon orange,ネーブルオレンジnavel orange,血ミカンblood orange(またはpigmented orange),無酸オレンジsugar orange(またはacidless orange)の4種に分類できる。(2)サワーオレンジC.aurantium L.(英名sour orange) ビターオレンジbitter orangeともいわれる。日本のダイダイ(橙)もこの中に含まれる。葉が極端に小さいマートルリーフオレンジmyrtle-leaf orange,果実の形・色がライムに似たベルガモットオレンジbergamot orange,萼が肥厚したザ(座)ダイダイなどが含まれる。(3)マンダリンオレンジC.reticulata Blanco(英名mandarin orange) 通常,果皮が黄橙色のマンダリンと紅橙色のタンゼリンtangerine orangeに大別される。
3種ともインドのアッサムを中心とするアジア南東部が原産地。中国へは比較的早く伝播(でんぱ)し,マンダリンは4000年以上,サワーオレンジ,スイートオレンジは2000年以上の歴史があるといわれる。陸路揚子江(長江)を東に下って伝播し,品種群がつくられた。西欧には12世紀ごろアラブの通商ルートによりサワーオレンジが伝わり,15世紀初期に同じく陸路イタリアの通商ルートでスイートオレンジが伝播した。別に,喜望峰を回る航路の発見(1498)後,ポルトガル人により中国から優良な品種が導入された。マンダリンオレンジは1805年中国からイギリスに導入された。アメリカ大陸に伝播したのはコロンブスの新大陸発見以後である。オーストラリアにはさらに遅い。日本への導入はサワーオレンジ,マンダリンオレンジが古い。記紀に記されているトキジクノカクノコノミ(非時香菓)はダイダイだろうといわれている。マンダリンの1種コウジ(甘子,たぶん紅(大)柑子)が,奈良時代に唐より導入された。この類の1種であるタチバナは日本の原産種。スイートオレンジの導入は以前にも南方から鹿児島への導入が知られているが,おもに明治以降である。
3種類のおもな差異をみると,枝条はマンダリンが他2種に比べ一般に細い。葉もマンダリンは小さいものが多い。翼葉はサワーオレンジは比較的大だが,他2種は小さい。とくにマンダリンは小さい。とげの発生はマンダリンはほとんどないが,他の2種は少し生ずる品種がある。スイートオレンジで目だつ。果実の剝皮性はマンダリンは容易だが,他2種は難。スイートオレンジは最も難。果形はマンダリンは扁平のものが多い。サワーオレンジ,スイートオレンジは球形だが,スイートオレンジの方が一般に長球形。サワーオレンジ,スイートオレンジは総状花序を形成するが,マンダリンは一般に単生花。花の大きさは中程度で,花弁の長さは20mm前後。しかしマンダリンは他2種に比べ花がかなり小さいものが多い。花弁は五つで白色だが,マンダリンは他2種に比べ白みが強く光沢のあるものが多い。開花期は5月上・中旬だが,マンダリンは一般に他2種に比べ遅く,中・下旬のものが多い。
スイートオレンジ,マンダリンオレンジ類はおもに生食用にされる。しかし,かなりの量が加工用としてジュース,シロップ漬などにされる。大産地ブラジルのオレンジは加工用としてジュースにされる方が多い。ネーブルオレンジはジュース原料としては,苦みを生ずるため不向きである。サワーオレンジはマーマレード,食酢,正月のお飾用として利用される。
→かんきつ類
執筆者:山田 彬雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「柑橘類」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…世界のかんきつ類生産量の約70%を占める。酸が多いサワーオレンジなどと区別するためスイートオレンジというが,単にオレンジと呼ばれることが多い。突然変異で多くの品種が系統分化し,それらは次の4品種群に大別できる。…
※「オレンジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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