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カイコバキュロウイルス発現系 かいこばきゅろういるすはつげんけい KAIKO(silkworm)-baculovirus expression system

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知恵蔵2015の解説

カイコバキュロウイルス発現系

遺伝子組み換え技術を用いて、医療用たんぱく質などの有用たんぱく質を製造する際には、その製造基盤となる細胞として、大腸菌、酵母、哺乳(ほにゅう)類培養細胞、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞などが利用される。カイコの昆虫細胞と、バキュロウイルス(核多角体病ウイルス)を組み合わせたたんぱく質発現系(たんぱく質生産システム)では、遺伝子組換え技術によって導入した遺伝子によるたんぱく質が大量に得られる。これらのたんぱく質は細胞内で糖分子の結合などの変化を受けるので、天然型のたんぱく質と同等の活性を示す。カイコバキュロウイルス発現系では、バキュロウイルスのDNAに、目的とする遺伝子を組み込み、この遺伝子組み換えバキュロウイルスをカイコの幼虫あるいは蛹(さなぎ)に注入して感染させ、目的たんぱく質の生産を行わせる。細胞内に微量しか存在しないたんぱく質を大量に作りだすことができるので、医療用たんぱく質の製造だけでなく、特定の重要なたんぱく質の立体構造や機能の研究のためにも、この系が利用されている。

(川口啓明 科学ジャーナリスト / 菊地昌子 科学ジャーナリスト / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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