カイロプラクティック(読み)かいろぷらくてぃっく(英語表記)chiropractic

翻訳|chiropractic

精選版 日本国語大辞典 「カイロプラクティック」の意味・読み・例文・類語

カイロプラクティック

〘名〙 (chiropractic) 「カイロプラクティックりょうほう(━療法)」の略。〔モダン辞典(1930)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カイロプラクティック」の意味・わかりやすい解説

カイロプラクティック
かいろぷらくてぃっく
chiropractic

ヒトの体の筋骨格系、とくに脊髄(せきずい)と身体各部の症状に対して、薬や外科的手術によらず手技で調整することで緩解治癒を目ざす治療方法。おもに骨格のゆがみ、とくに背骨の異常を調整して痛みを軽減することや、体をコントロールする神経系の機能を回復させることによって、症状および身体機能を改善し、自然治癒力を高めて健康を増進させようとする。

 アメリカのパルマーD. D. Palmer(1845―1913)が1895年に創始した。語源ギリシア語で、「手による施術」の意である。脊椎(せきつい)の異常を手で衝撃して整え、狭められた脊椎骨の間の椎間孔を正常に復すとともに、神経の圧迫をなくして神経機能を回復し、支配下の組織や器官の機能の異常を整える。脊椎にわずかの「ひずみ」があっても椎間孔は変形し、ここを出入りする神経や血管は圧迫を受け、その支配下の組織や器官に異常がおこるといわれている。なお、ここでいう「ひずみ」とは、脊椎骨の不正列のことをいうが、最近の治療傾向は、異常に緊張した筋肉を正しく伸張して、機能を整えることに重点を置いている。

[芹澤勝助・編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カイロプラクティック」の意味・わかりやすい解説

カイロプラクティック
chiropractic

脊柱矯正術の一つ。アメリカ合衆国の治療師ダニエル・デービッド・パーマーが創始した。病気は神経系の機能障害によって起こるという考え方に基づいて,身体,特に脊柱を調整することにより,神経系の機能回復をはかろうとする手技療法医学の専門分野ではなく,治療にはカイロプラクターがあたる。アメリカにはカイロプラクターの資格を得るための大学もあるが,日本では未公認である。(→民間療法

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカイロプラクティックの言及

【指圧療法】より

…あんま,マッサージとともに手技三法といわれる。明治以降の西洋医学全面採用の政策により,従来のあんま術が病気の治療より慰安術に変化したため,大正初期になって,古来のあんま術に導引(呼吸と体操法),柔道活法などを用いた療術師たちが,アメリカのカイロプラクティックchiropractic(脊柱矯正療法)やオステオパシーosteopathy(整骨療法)など近代的手技療法の理論や技法をとり入れて発展させてきたものである。その手技には大別すれば次の3種がある。…

【接骨師】より

… 近世に入ると,骨のゆがみや異常と病気の関係が詳しく研究されるようになり,19世紀にはアメリカ人のスティルA.T.Stillが〈整骨療法(オステオパシー)osteopathy〉を提唱,整骨により動脈中の血流を正し,万病を治すという試みがなされた。さらに19世紀末には,カナダ人のパーマーD.D.Palmerが,脊椎矯正により神経への圧迫を除去する整体術〈カイロプラクティックchiropractic〉を考案し,かつての接骨師の役割を復活させた。これらは即効性をめざすのではなく,健康全般を維持することを目的とするとし,現在も医療類似行為として民間に浸透している。…

※「カイロプラクティック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android