カウリー(Abraham Cowley)(読み)かうりー(英語表記)Abraham Cowley

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カウリー(Abraham Cowley)
かうりー
Abraham Cowley
(1618―1667)

イギリス詩人。E・スペンサー、B・ジョンソン、J・ダンらの影響を受けた。強烈な個性をもった詩人というよりは、近代科学精神とキリスト教ヒューマニズムが、また形而上(けいじじょう)詩の機知と新古典主義の良識的感覚が融合した、形而上派詩人(メタフィジカル・ポエット)としてはイメージの織り出し方が比較的穏やかな詩人である。15歳で『詞華集』(1633)を出版、内乱時は王党を支持してフランスに追われ、そのため王党派詩人として分類されることもある。王政復古とともに帰国し、詩のほかに当時流行の庭園論や自然と人間と孤独をめぐる優れたエッセイも残した。代表作は恋愛詩集『恋人』(1647)。

[河村錠一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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