カネム・ボルヌー帝国(読み)カネムボルヌーていこく

百科事典マイペディア 「カネム・ボルヌー帝国」の意味・わかりやすい解説

カネム・ボルヌー帝国【カネムボルヌーていこく】

中部アフリカチャド湖周辺に栄えた王国。現在のナイジェリアニジェール,チャド,カメルーンのそれぞれ一部にまたがる広大な地域を時代によって移動しながら支配した。8―9世紀ごろにカヌリ族によってチャド湖北東のカネムKanem地方に建国され,14世紀に遊牧民攻撃を受けてチャド湖南西のボルヌーBornu地方に遷都したとされているのでこの名称がある。11世紀に王がイスラムに改宗し,12―13世紀にイスラムが国教とされた。サハラ縦断交易で栄えたが,19世紀ごろに滅んだ。
→関連項目チャド

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「カネム・ボルヌー帝国」の解説

カネム・ボルヌー帝国(カネム・ボルヌーていこく)
Kanem-Bornu

8世紀~1846

中部アフリカ,チャド湖周辺に勢力圏を成した帝国。当初カヌリ人がチャド湖北東のカネム地方を支配,11世紀末,イスラームを受け入れ,のちに国教とした。北アフリカと内陸を結ぶ交易路を押さえ,奴隷交易などにより繁栄した。14世紀,反乱を避けて都をチャド湖の西南のボルヌー地方に移した。16世紀後半が最盛期。北方トゥアレグ西方ハウサフラニなどの攻撃を受けて崩壊した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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