カフジ-ビエガ国立公園(読み)カフジビエガこくりつこうえん

世界遺産詳解 「カフジ-ビエガ国立公園」の解説

カフジビエガこくりつこうえん【カフジ-ビエガ国立公園】

1980年に登録された世界遺産(自然遺産、危機遺産)。コンゴ民主共和国東部、ルワンダと国境を接するキヴ湖西岸に広がる国立公園。公園名は、カフジ山(標高3308m)とビエガ山(標高2790m)の山麓の森林地帯を含むことによる。公園内には高山性熱帯雨林と竹の密林沼地、泥炭湿原が広がり、チンパンジー、ヒョウサーバルキャットマングースゾウアフリカスイギュウや多くの種類の鳥類のほか、絶滅が危惧されているヒガシローランドゴリラ(グラウアーゴリラ)が生息している。ヒガシローランドゴリラは同国を中心とした高地にしか生息していない固有種である。ゴリラの生息域であることが世界遺産登録の重要な理由になったが、その個体数が急速に激減したため、1997年に危機遺産リストに登録された。危機遺産リスト登録に至ったのは、ゴリラ観察の団体観光を許可し多くの観光客が訪れた結果、風邪、はしかなどの病気や、人間を宿主としていた寄生虫類が持ち込まれて感染する例が続出し、死に至るゴリラが増加したことと、鉱山の開発やコンゴ内戦などにより、国立公園の自然環境が脅かされる可能性が生じたことによる。◇英名はKahuzi-Biega National Park

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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