カベーリン(Konstantin Dmitrievich Kavelin)(読み)かべーりん(英語表記)Константин Дмитриевич Кавелин/Konstantin Dmitrievich Kavelin

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カベーリン(Konstantin Dmitrievich Kavelin)
かべーりん
Константин Дмитриевич Кавелин/Konstantin Dmitrievich Kavelin
(1818―1885)

ロシアの歴史家、法学者、哲学者。1839年モスクワ大学卒、1844~1848年同大学講師、1857~1861年ペテルブルグ大学教授。1840年代にはグラノーフスキーゲルツェンに近いザーパドニキ(西欧主義者)の陣営に属していたが、しだいに自由主義的傾向が強くなり、1861年の農奴解放前夜には、政府による地主貴族の利益を考慮した解放を主張した。その後さらに保守主義へと傾き、強力な君主政治の必要性を力説した。ヘーゲルの歴史哲学から出発して、民族の生活における国家の役割を重視し、B・N・チチェーリンとともにロシア史学における「国家学派」を創始した。後年哲学への関心を深め、観念論と唯物論との調和を目ざして実証主義に傾斜した。

[外川継男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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