カモノハシ(イネ科)(読み)かものはし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カモノハシ(イネ科)」の意味・わかりやすい解説

カモノハシ(イネ科)
かものはし / 鴨嘴
[学] Ischaemum aristatum L. var. crassipes (Steud.) Yonek.
Ischaemum aristatum L. var. glaucum (Honda) T.Koyama

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。稈(かん)は直立して株立ちとなり、高さ30~70センチメートル、葉とともにやや硬く無毛である。7~10月、稈の先に2本、半円柱形の花序を出し、密に小穂をつける。小穂は芒(のぎ)がなく、2個の小花があり、対(つい)をなして太い三稜(さんりょう)形の花序軸の各節につき、一つには柄があり、一つには柄がない。海岸砂地に生え、本州、四国、九州に分布する。名は、この切り口がほぼ半円状になる2本の花穂が成熟して開いた形をカモの嘴(くちばし)に見立てたものである。基本種のタイワンカモノハシは包穎(ほうえい)の幅が広く、小穂に芒があって、広く東南アジア、インドに分布する。

[許 建 昌 2019年8月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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